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ある日の私は、いつものようにコンビニで昼ごはんを買っていました。知らない電話番号からの着信に買い物カゴを持ったまま出てみると、テレビで聞いたことのあるお声で「わたくし、◯◯〝・◯◯◯◯。おわかりになります?」私は緊張しながら「はい、よく存じあげております」と答えました。 その方の要件は「本宅の近くに中古住宅を購入するので、リフォームしたい」とのことでした。もしかしたら、この方のご要望にお応えできるリフォーム屋さんはそうどこにでもは居ないかも??・・・。「私、できます!」とすぐにお返事しました。後日、購入予定のお宅でお打ち合わせし、お部屋は花柄の壁にしたいとのことでした。私はデザインコンセプトは【大人カワイイおウチ】だな!と決めました。   <クロス選びの編> 最初は国産で構わないのでクロスのカタログが見たいということでお持ちしましたが、ヨーロッパ調の繊細で明るい花柄のものは少ないのです。輸入のクロスは国産品より多少値が張りますが、やはり比べると花柄模様のクオリティがまったく違います。お客さまの世界観を実現するのは、主要な部屋やアクセントウォールには輸入クロスを使用して、国産のクロスとコーディネートしました。こうすれ、全体のコストが抑えられます。             【まる企画のちょこっとアドバイス】 クロスは国産品でも、サンゲツやリリカラほか、選びきれないほどたくさんの色柄の製品があります。自宅やオフィスだと業者さんが白系の安価なサンプル帳を持ってきて「この中から選んでください」と言われますが、無難で面白くないと思ったら、ここでちょっともがいてみてください。自分の空間なのだから、元気になれたり、お気に入りの家具に似合う色柄は何だろう?と・・・。 ◇派手すぎるかも ?  毎日居る空間ですから、すぐに慣れて愛着が湧く空間になっていきます。気に入ったものが見つかって部屋の全面に使うことに勇気がいるなら、壁の一面だけ色を変えてみても良いのです。 ◇飽きてしまうかも? 自分の好きにこだわって、イメージして選んだクロスなら、そんなにすぐに飽きてしまうことはありません。そのうち自分と一体化して居心地の良さは増していくものです。それからクロスは、白だろうが柄だろうが、長くても十年程度で貼り替えるものです。 ◇自宅は自分の空間ですから、 ご自宅でも、アンティークなカフェのようにもなれるし、モダンなホテルのようにもなります。外国のデザインを復刻した国産仕様のクロスもあります。これなら普通のクロスやさんで問題なく貼れます。   ハイセンスなお客さまと一部屋ずつデザインを決めていく時間は、仕上がりを想像しながらの楽しい時間でした(時に厳しい場面もありましたが、、、)。 たまにSNSやテレビでこのお部屋を目にします。あの方が好きな世界観をつくるお手伝いができて幸せです。          

神保町の本屋街にホテルを建てるプロジェクトマネジメントが、前職での最後の仕事でした。当時の私は管理職にほぼ移行し、お客様相手の仕事に携われなくなることに寂しさを感じていたので「赤坂さんが最後まで面倒をみてくれるなら発注する」と先方から言われた時は、社内事情はさておき素直に嬉しかったです。 会社からもOKをもらって仕事がスタートしました。しかしそれからが大変で、オーナーと運営サイドが作りたいホテルのコンセプトが違っていたので、着工してからもデザインが決め込めない状態が続きました。工程に迫られながら提案を重ねて、ようやくコンセプトは一本化され、神保町の街並みにお似合いのレトロモダンなホテルが完成しました。   東京オリンピックが決まり都内には小規模なホテルも増えています。ホテルは内装だけで繁盛する訳ではありませんが、やはり他には無い個性を持っていないと長期的には戦えません。 小さなホテルであればあるほど、「此処が好き」「このホテルに泊まりたい」というファンを増やしていかないと…。それには、ホテルの空間とサービスを貫ぬくコンセプトが必要です。ひとはその世界観やストーリーに共感共鳴して、それでファンになるのでしょう。 だから、コンセプトがぶれていたり、コンセプトと違った仕上がりになってしまうことはとても危険です。このプロジェクトは体制が複雑だったことや途中で担当者が代わる事態もあって、それぞれの立場で生みの苦しみを味わっていました。でも、いいホテルにしたい思いは誰もが一緒でした。 世界に一つだけの小さなホテルの竣工を見届けて、私は会社を退任しました。あの時のプロジェクトメンバーはどうしているのかな? 人気のホテルなのだと噂で聞いて嬉しいです。東京にご用の方は、神保町にお泊りしてみるのも粋ですよ。 HOTEL「SAKU REN JIMBOCHO」 https://saku-ren.com/ 施主   :(株)リヴ ホテル運営:(株)咲楽 設計;(株)翔設計/ 施工:(株)伊勝/ 造作家具:(株)立米 /サイン:三沢工芸

2018年早春、25年勤務の前職を退任して間もなく、しばらくは人生の休暇と決めてのんびり過ごしていたところに、10年来の友人ホキ徳田さん(84歳で母のような)から連絡がありました。当時、六本木芋洗坂にあったピアノバー・北回帰線が移転を余儀なくされているとのこと。「新店舗のデザインと内装工事を期日までに間に合わせて~!」とお頼みされたことが「まる企画」設立のきかっけでした。  4月18日、初めてホキさんに連れられて現場に入る。ホットドッグ屋さんの居抜き物件。 デザインを起こし、ゴールデンウィーク明けに着工。1ヶ月後には、旧店舗からピアノや家具がやってきます。新店舗は前のお店の半分程度の面積で、ピアノを置いたら席数はわずかになってしまいます。狭さを感じないように工夫して、優雅にゆったりとした気分でピアノを聴けるNew北回帰線を目指します。 6月25日、予定通りに工事が終わり、無事にお引き渡しができました。ここからしばらく、店内は大量の荷物で足の踏み場も無くなりました。依頼人の欲しい空間をつくって喜んでもらえることが、純水に楽しく、嬉しく、原点に返った気持ちでした。 この先は好きなことだけをやっていこう。せっかく身に着けた能力や技術、職人さんたちの人脈があって、きっとホキさんみたいにこだわった空間を望む人がいるのなら、それを叶えることが私にはできるのだから。 デザインとかプロデュースとかマネジメントとか、言葉にするとわかりにくいけれど、この仕事を続けていこうと決めました。「赤坂ちゃんが会社を始めるなら、ひとまずこのお店にポストを置いていいよ」とホキさんが背中を押してくれました。 屋号は、ある日天から降ってきて「まる企画」になりました。 7月20日、New北回帰線とまる企画、グランドオープンいたしました。

まる企画は、代表の赤坂柚子が前職で担ってきた建築に関わるデザインとプロデュース業務を独立させた会社です。 どんなに言葉を並べてもわかりにくいので、HPでお伝えしていくことにしました。 自分の空間を自分らしくデザインすること。想い描くだけでなくて実現させることをお手伝いします。 まる企画 ブログもはじめました。 まる企画設立のきっかけとなったヘンリーミラーメモリアルカフェ[北回帰線]が、最初のオフィスとなりました。